皆様は汚れについて考えたことがあるでしょうか。前述の土汚れやお住まいのものだけでなく、汚れには実にさまざまなものがあります。衣服でしたら泥汚れや土による汚れ、汗による汚れ、油などの汚れがあります。コーヒーやインクなどによる染みも汚れの一種と見做してよいでしょう。
それに対してお部屋などの汚れはゴミの散乱や埃などが溜まったものから、タバコの煙や料理による油で壁が変色してしまうものがあります。
衣服の汚れやお部屋の汚れ、共通している部分があることにお気付きでしょうか。お部屋のゴミの散乱や埃を除いて考えてみましょう。色に注目してください。色彩から定義しますと、汚れとは『ある物体に何らかの原因によって付着してしまった不都合な色』ということが言えるのではないでしょうか。この『不都合な色』というのは客観的に見た場合と主体的に見た場合の両方が成立します。個人や属している団体の価値観によるところが大きいのです。例えば、新品のデニムやブーツにわざわざペンキで汚れのような模様?をつけ、オシャレなワークウェアの古着風を演出して販売されている商品があります。見る人によっては汚れだし、見る人によってはファッションなワケです。おそらく筆者の祖母が見たら、「私らの若い頃も貧乏だったけど、今の若い者は外に出る時もあんな格好をしているなんて平成の大不況って本当に凄いのね」と言うのではないでしょうか。私がそのような服装をしていたら、間違いなく「これできちんとした服を買い揃えなさい」とお小遣いをくれるでしょう。ダメージジーンズでも確実に同様のことが起こりえます。
ファッションに関しては個人の好みが大きいので、見方は人それぞれです。ただし、汚れに対して確実に言えることもあります。どの人間(人類と一括りにしてもよいかもしれない)でもある程度のコンセンサスが持っているということです。